いつか子供に読ませたい!61
本日は、大切な友人から「取り上げて欲しい!!」と要望のあった本について、です。私自身もいずれは取り上げるつもりではありました。それほど、「決して忘れてはならない大切なもの」がたくさん書かれた本だと思っているからです!友人も同じような気持ちだと思っています。
「はせがわくんきらいや」をご存知の方はいらっしゃるでしょう。かなり昔からある本です。ただ、現在出回っているものは、読者のリクエストにより復刊されたものです。
昭和30年代、忘れてはならない、「ヒ素ミルク事件」が起こりました。私が生まれる前の事件ではありますが、母親からも聞かされましたし、私の尊敬する小・中学校の教師からもいろいろと教わりました。
今もいろんな事件が起こり、たくさんの方が犠牲になっていますが、何年経とうと、こういう事件は決して忘れてはなりません!!
この本に登場する「長谷川くん」は、この事件の被害者です。
お話は、この「長谷川くん」の幼馴染の「ぼく」の語りですすめられます。
関西弁を使い、素直な心情を書き綴っています。
「ぼく」は「長谷川くん」がきらいや!とはっきりと書いてありますが、本当にそうでしょうか?私にはそうは思えません。
いろんな言葉を使って「長谷川くん」の事を書いていますが、いろんな部分で「長谷川くん」への子供らしい気遣いが感じられます。
「長谷川くん」の抱えた事情を聞いた「ぼく」。これからも子供らしい感情で、子供らしく接していくに違いないー私はそう思っています。「ぼく」が「長谷川くん」から離れることはないでしょう。
印象的なのは文章だけでなく、丁寧に作られた版画の挿絵です。子供だけでなく、大人も一度見れば、決して忘れられないでしょう。「ぼく」の見た、感じたものが素直に表現されています。この絵も、この本の大切な役割を果たしています。
筆者の、事件に対する強烈な怒りも滲み出ています。忘れてはなりません。そして、こういう本は、いつまでも残しておくべきです!!
*ランキングサイトに参加しています。いつもクリックありがとうございます。
| 固定リンク
| コメント (4)
| トラックバック (0)
最近のコメント