« 2008年6月 | トップページ | 2008年8月 »

2008年7月30日 (水)

子供を本好きにするには大人が楽しむ!242

タイトルは、「小さなコックさん (講談社文学の扉)」とありふれた?感じがしたのですが、表紙の絵に不思議な雰囲気が漂っていて、娘だけではなく、私も何となく惹かれて読んでみました。

明日から夏休み。小学5年生のシゲオは荷物を纏めて家に帰る途中で、見たことも無い黒い階段とその踊り場に貼られた紙を見つけます。

そこは、二階なんてあるはずのない、一階建ての屋根のある商店街の中。

不思議に思ったシゲオは一度家に戻り、そこへ向かいます。

貼紙には、「小学生だけのためのレストラン」と書かれていて、自分のお小遣いでご飯が食べられると説明してあるのです。

両親がいないシゲオはおばあさんと二人暮らし。仕事で忙しいおばあさんは、シゲオと一緒にご飯を食べられない事が多いのです。

今日も一人でご飯を食べなければならないシゲオは、このレストランに足を踏み入れます。そこでシゲオを待っていたのはー。

出てくる食事がどれも美味しそうです。読んでいると食べたくなります(笑)。いろんな国のいろんな食べ物が出てきます。この小さなコックさんが料理の説明をしてくれますが、これがまた、料理を更に美味しそうに感じさせます(笑)。

物語の中で、シゲオが「お料理世界旅行だ!」なんて言っていますが、正にそうです。

でも、やっぱり、店の中にもコックさんにも不思議な雰囲気が漂っています。その秘密はなかなか掴めませんし、読んでいるほうもなかなか想像できないと思います。

このコックさんの正体は思わぬところから判明するのですが、その正体には、悲しく悲惨な過去が隠されています。

コックさんがどんな気持ちでこのレストランを開いたのか…。想像すると本当に悲しくなってしまう結末ですが、忘れられないお話だと思います。

*ランキングサイトに参加しています。いつもクリックありがとうございます。

ここをカチッとお願いします

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2008年7月23日 (水)

子供を本好きにするには大人が楽しむ!241

いわゆる、『不思議な世界』を題材にした本はたくさんあります。例えば、『四次元の世界』とか、『夢か現実か?分からなくなる』とか、『不思議な空間』とか…。SF小説に近い、と言えば良いのでしょうか。

ホラー小説とは違う、別の意味の怖さがあります(汗)。

子どもの本にもあるようですね~。

おとうさんがいっぱい (新・名作の愛蔵版)」は、そんな本に分類されると思います。

私だけかもしれませんが、題名からは、そんな本だとは考えられませんでした。なので、読んでみて、ちょっと驚きました(笑)。

5つの短編が収められています。どれも、『主人公がふとした事から迷い込んだ不思議な世界』が書かれています。

怖いですね~。

「もし、自分がこんな状況に陥ったら!!」…。

おそらく、冷静ではいられないでしょう。

この本の主人公たちも(みんな子どもですが)、その奇妙な状況から這い出そうと焦ります。いろいろ試みます。だけど、なかなかうまくいかず…。

どれも面白く、ゾッとするような話でしたが、私は「ぼくは5階で」が一番でした…。

両親が共働きの少年が、家に戻ってきます。これから、友だちと野球をする約束になっています。支度をして出掛けようとするのですが、ドアに違和感を感じます。でも、それがたいした事だとは思わず、外へ出ようとするのですがー。

この本に収められているお話に共通するのは、全て自分の家や自分の家の周囲でその奇妙な出来事が起こってしまうという事。

当たり前で、いつもの事で、見慣れた景色で…。そこに『奇妙な世界への入り口』があるなんて、想像もしないと思います。

だからこそ、怖いですね…。何かの拍子に、その『奇妙な世界への入り口』へ足を踏み外してしまったら…。ついつい想像してしまいます。「いつもと違う事を考えてしまうと、その落とし穴へ落ちてしまうのでは?」なんて事も考えてしまいましたし(笑)。

身近だからこそ、恐怖を感じてしまうーそんな本でした。子どもの本という事になってはいますが、大人も十分楽しめると思います。

もちろん、娘も読んでいます。そして一言…。

「そんな事ありえないとは思うけど、怖い…」

*ランキングサイトに参加しています。いつもクリックありがとうございます。

ここをカチッとお願いします

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2008年7月15日 (火)

子供を本好きにするには大人が楽しむ!240

今回は、動物好きな娘の好みである(笑)、動物が主人公の本をー。

絵が丁寧できれいだったので、思わず惹かれてしまった、「魔女のこねこゴブリーノ (世界傑作童話シリーズ)」。

題名から想像がつくように、『魔女ねこ』として生まれた、ゴブリーノ(オス)のお話です。

この本に登場する、魔女とその魔女が飼う『魔女ねこ』。どちらも魔法が使えて、意地悪で人間に忌み嫌われているものとして扱われています。なので、この魔女やねこが、何かを「かわいそう!」なんて思うことはあり得ないと言うのです。

でも、ゴブリーノは少し違っていました。

妹のスーチカは魔女のねこらしく、「魔法が使える立派な魔女ねこになりたい!」と願うのですが、ゴブリーノは「普通のねこになって、人間に可愛がられたい!台所ねこになりたい!」と願うのです。

それだけではありません。ある日、ゴブリーノの目の色や毛が他のねこと違っている事が発覚するのです!その事でゴブリーノを責める母ねことその飼い主の魔女。

やがて、妹は別の魔女に見習いとして引き取られられますが、ゴブリーノはその毛と目の色のせいで、どんな魔女も引き取ってくれません。挙句の果てに、母親の魔女ねことその飼い主の魔女にも捨てられてしまうのですー。ひとりぼっちになったゴブリーノは、自分の望みを叶えようと、人間の世界へ足を踏み入れるのですが…。

魔女ねこらしくなく、優しくて穏やかなゴブリーノ。前向きに努力し、人間に可愛がられるねこになりたいと願い、自分を犠牲にしてでも人間に尽くしたり、一生懸命手伝ったりするのですが、自分の居場所がなかなか見つかりません。おまけに、人間たちはゴブリーノが魔女ねこだと感づくと、すぐに拒絶してしまうのです(そうじゃない人にも出会いますが)。

魔女の世界でも、人間の世界でも受け入れてもらえないーひとりぼっちの寂しさを何度も味わうのですが、決して、自分を受け入れなかった相手を責めないゴブリーノ。魔女ねこじゃなくても、こんなに優しいねこはいないと思います。

そんなに暗い文体では無いのですが、ゴブリーノの悲しみや寂しさがいろんなところに現れています。読んでいるうちに、ゴブリーノの運命を、本気で心配してしまう本でした。

最近読んだ本の中でも、これは特に気に入ったものの一つです♪

*ランキングサイトに参加しています。いつもクリックありがとうございます。

ここをカチッとお願いします

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2008年7月11日 (金)

子供を本好きにするには大人が楽しむ!239

子どもには、いろんな種類の本を読んで欲しいと思っています。

そのうちに、『自分の好きなジャンル』とか、『自分の好きな作家』というのが出てくると思っていますので。若しくは、『自分に合うジャンル』とか。

今回は、「よりぬきマザーグース (岩波少年文庫)」を見つけたので、読ませてみました。訳は谷川俊太郎さん。訳が(私の個人的な 笑)好みでしたし、原語もついていましたので、初めて読むには良いかな、と。娘も英語にはかなり興味を示していますし。

娘はマザーグースを読むのは、これが初めてですね~。あ、でも、正確にはそうでもないかな?「ロンドン橋」とか、「メリーさんのひつじ」なんかには、既に触れていますから。

マザーグースの含まれるとされているものは本当に膨大な数のようですね。私自身は、マザーグースで知っているものはさほど多くはありませんが、読むときはいつも、この歌(詩)に隠されている意味をいろいろと想像しています(笑)。

単純、簡潔、でも残酷…。だからこそ、どんな意味があるの?と考えてしまいます。

娘もやはり、そう思ったようで…。「この詩って、なんか不思議なんだけど。どうしてできたのかな??」なんて私に聞いてきますので(笑)。

でも、これは、自分自身で考えたり想像してみたりするほうが良いと思います。自分の解釈はあまり教えないほうが良い気がしますね~。例え人の解釈を聞いても、参考程度にするのが楽しいかもしれません。

自分自身でいろいろ想像して解釈してみるのも、本や詩を読む楽しみの一つでは?これは、私の個人的な考えです。娘はどう考えるようになるのでしょうね(笑)。

*ランキングサイトに参加しています。いつもクリックありがとうございます。

ここをカチッとお願いします

| | コメント (4) | トラックバック (0)

« 2008年6月 | トップページ | 2008年8月 »