子供を本好きにするには大人が楽しむ!242
タイトルは、「小さなコックさん (講談社文学の扉)」とありふれた?感じがしたのですが、表紙の絵に不思議な雰囲気が漂っていて、娘だけではなく、私も何となく惹かれて読んでみました。
明日から夏休み。小学5年生のシゲオは荷物を纏めて家に帰る途中で、見たことも無い黒い階段とその踊り場に貼られた紙を見つけます。
そこは、二階なんてあるはずのない、一階建ての屋根のある商店街の中。
不思議に思ったシゲオは一度家に戻り、そこへ向かいます。
貼紙には、「小学生だけのためのレストラン」と書かれていて、自分のお小遣いでご飯が食べられると説明してあるのです。
両親がいないシゲオはおばあさんと二人暮らし。仕事で忙しいおばあさんは、シゲオと一緒にご飯を食べられない事が多いのです。
今日も一人でご飯を食べなければならないシゲオは、このレストランに足を踏み入れます。そこでシゲオを待っていたのはー。
出てくる食事がどれも美味しそうです。読んでいると食べたくなります(笑)。いろんな国のいろんな食べ物が出てきます。この小さなコックさんが料理の説明をしてくれますが、これがまた、料理を更に美味しそうに感じさせます(笑)。
物語の中で、シゲオが「お料理世界旅行だ!」なんて言っていますが、正にそうです。
でも、やっぱり、店の中にもコックさんにも不思議な雰囲気が漂っています。その秘密はなかなか掴めませんし、読んでいるほうもなかなか想像できないと思います。
このコックさんの正体は思わぬところから判明するのですが、その正体には、悲しく悲惨な過去が隠されています。
コックさんがどんな気持ちでこのレストランを開いたのか…。想像すると本当に悲しくなってしまう結末ですが、忘れられないお話だと思います。
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