子供を本好きにするには大人が楽しむ!222
「鬼退治」と聞くと、「桃太郎」なんかを思い出しますし、「弱いものを苛める悪を倒しに行く」なんてイメージしたりもします。
でも、これが「やどかり」たちの「鬼たいじ」なら…。
「やどかりどんのおにたいじ (どうわがいっぱい)」は、題名の通り、「やどかり」たちの鬼退治です。
やどかりは、ご存知の通り、貝を自分の宿として(貝で身を守って)生きています。
ある浜辺に打ち上げられた、「やどかりどん」という名前のやどかり。のんびり空を見上げていると、もの凄い地響きとともに、大きなやどかりが!力の違いから、「やどかりどん」は、あっさり自分の宿である貝を取り上げられてしまいます。
そんな小さな貝に、大きなやどかりは入れないはず…。でも、その大きなやどかり(「やどどど」という名前です)は、他のやどかりの貝を取り上げて、集めるのが好きだと言うのです。
怒った「やどかりどん」、自分の大切な宿である貝を取り戻すために、「やどどど」の後を追います。「やるときはやる!」それがやどかりどんの考えなのです。その途中で、やっぱり宿を取り上げられたやどかりたちに何匹も出会い、一緒に行動する事になりますが…。
このお話での「鬼」は、ご想像通り、「やどどど」です。力が強く、いう事を聞かない相手は、力ずくでねじ伏せてしまう…。ま、「鬼」と言うより、「ガキ大将」に近い気もします(笑)。今も昔もこういうタイプ、結構いますよね。
で、こういうタイプがいると、必ず、「泣き寝入りしてしまいそうな力の弱いタイプ」も存在してしまいます…。この後者のようなタイプは、どう行動すれば良いのか…永遠のテーマのような気がします(笑)。
単純で、よくあるお話と言えばそうなのですが、小さな子どもにとっては大切な事がたくさん書かれているのは、実はこのタイプのお話なのかもしれません。
「弱いものを苛めたりしない」、「人のものを自分が欲しいからと言って奪わない」、「困難な時は、みんなで力を合わせる」などなど…。
分かっているようでできない、分かっているようで自分の我儘を通してしまう…。
だから、こういう本は繰り返し読む方が良いと思うのです。それだけ、こういう事に関して、考える時間が増えますから。考える時間が増えると、それだけ行動も変わってくるのではないでしょうか?(あくまでも私的な意見ですが)
余談ですが、最後に。この本に関してもう一つ。
海辺に落ちていそうな貝の名前が結構いろいろ出ていましたよ。「これはどんな貝かな~」なんて、子どもと図鑑を見ながら読んでみる、という楽しみもあります♪
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コメント
最近、またオカヤドカリが、ブームになっているとか・・
今は、甲虫でもザリガニでも加工された餌が、売っているけど、色々試して見て「これは、食べた!食べない!」
観察する楽しみは、ないのでしょうか?
例えば、私の研究では、樹液に一番近いのは、蜂蜜:黒砂糖 1:1にビール1滴。
もっともビールは、まだしも「普通の家」に黒砂糖や蜂蜜は、ないのカナ・
愛くれぬ 磯巾着が 身に重し
仮の宿さえ 抜けられぬ我
この歌を作ったのは、小学5年の時でした。
同じ歳の子と違って外の世界を知っていたし、一人で生きて行く自身ならありました。
と言うよりは、「一人なら」生きられると思ったのです。
でも私には、私を守ってもくれないのに私にまとわりつく磯巾着が、いました。
この家は、「お前の家では、ない!」と言ったのも磯巾着だったのに!
私が、漸く磯巾着から逃れる事が出来たのは、一昨年の事です。
この歌にまつわるエピソードは、拙ブログに書きます。
俳句の世界では、ヤドカリは寄居虫、または、ごうなとします。
投稿: 鵺娘 | 2008年1月24日 (木) 17時44分
>鵺娘さん
いろいろ試すのは、楽しいですよね?
そういえば、甲虫にメープルシロップ+ヤクル○を与えたところ、
奪い合いになっていました…。
メープルシロップならまだしも、乳酸菌飲料も!?
黒砂糖&蜂蜜は、母親の出身地のツテのおかげで、家にはだいたい常備されています。
>俳句の世界では、ヤドカリは寄居虫
納得のいく言葉ですね(笑)。確かにその通りで…。
投稿: リーヴル | 2008年1月28日 (月) 10時06分