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2007年12月 6日 (木)

久しぶりに…30

今昔物語」の中で、特に印象が強く、忘れがたいお話の一つが、「鼻を持ち上げて朝粥を食う話」(「内供の長い鼻」という題にしている本もありました)です。

人の絶える事のないお寺の僧の禅智内供。修行に怠りのない良い僧ですが、見たことも無いような長い鼻を持っています。食事をするにも困るほど長く、あごより下がって見えるほど。

時々、たまらなく痒くなって手当て(?)をするのですが、その場面の描写が忘れられません(笑)。鼻の中から出てくるものには、少々びっくりしました。でも、その手当ても、ほんの一時しのぎのようで…。

小学生の頃に初めてこのお話を読んだのですが…面白かったというか、強烈な印象が残ったというか…。何度も繰り返し読みました。

でもこのお話の本題は、鼻の手当てではありません。食事の際に、この僧が鼻をどうしているか、と言う事から起こる出来事です。

短いお話なので最後まで粗筋を書きたくなってしまいますが…このお話を読んだ事の無い方がこのブログを読まれると後々の楽しみがなくなってしまうので、この辺で止めておきます…。

ただ、私の個人的な考えから言わせて頂くと、「取り扱いに気をつけるべきお話」ではないかと思います。素直に笑うだけのお話とは言いがたいのです…。

それは、「人の外見に関わる事が含まれている」からです。

あまり説教臭い事をこのブログでは書きたくないのですが、「自分ではどうしようもない事を、他人は笑ったり、馬鹿にすべきではない。」という考えを私は持っているのです。

でも…。

この手のお話が多いのは事実です。なので、私の場合、「視点を変えて、読んでみる」必要があると思っています。例えば、着目する人物を変えるとか、人物の内面(本性)を推測する事に重きを置くとか…。

とは言え、こういった事は人それぞれなので、自分の方法が良いとは思っていません。本音を言えば、難しいです…。

本日は、後味が悪い終わり方ですが…。

それだけ昔の本は、「考えさせられる部分が多い」のでしょう。現代人には、理解が難しい部分もありますし。

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コメント

 芥川の小説にもなっていますよね?
 昔、NHKで名作の朗読をする番組が、ありました。
 地味だけで好きな番組だったのに何時の間にか修了してしまいました。
 大好きだったお母さんの目が、悪くなった時に好きだった本を朗読して、テープに吹き込んで上げた子供がいました。
 何て羨ましい親子関係なのでしょう?

 鼻と言えば源五郎鮒の話は、憶えてますか?

投稿: 鵺娘 | 2007年12月 6日 (木) 13時48分

>鵺娘さん
>芥川の小説にもなっていますよね?
そうですね。私は、今昔物語で読んだ後、芥川のものを
読みました。全く違うものになっているだろうと予測はしていましたが、
それでも、驚いたおぼえがあります。

>源五郎鮒
鼻を伸ばして、琵琶湖に落ちた怠け者の男の話ですよね?
あ、でもこの「源五郎鮒」には、他の説もありましたっけ…。
私が一番思い出したのは、この男のお話です。

投稿: リーヴル | 2007年12月 7日 (金) 10時07分

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