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2007年11月28日 (水)

久しぶりに…29

今昔物語」は、あまりにも膨大で…。

一日のブログで、どう書けばいいか思いつかなかったので、今まで敢えて取り上げませんでした。

でも、とりあえず、自分の好きな話(若しくは印象の強い話)を取り上げて、書いてみたいと思います。ちなみに、明日以降も取り上げる可能性がありますが(笑)。

とは言え、どれを取り上げるか悩みますね~。記憶が曖昧になっている話もありますし…。なので、近いうちに、もう一度読み直してみたいとは思っています。「今昔物語」を全て網羅しているわけではありませんし…。いい機会かもしれませんね。

今回は、「北山の犬が人を妻とする話」。

北山の辺りに遊びに行った男性が道に迷い、小さな庵に迷い込みます。

そこに住んでいた若い女性の夫が大きな犬。読んでみると分かりますが、ただの犬では無いようです…。

と、ここまで書けば、よくある「妖怪」(?)の話だと思ってしまうかもしれません。

でも、このお話の本質は、他のところにあります。

結末まで書くわけにはいきませんが、「相手の話はきちんと聞くべき」とか、「約束は守るべき」とか、「口は災いの元」とか…。いろんな事を感じ取る事ができる話だと思います。

更に言えば…人間は、「自然を甘く見すぎ」であり、「人間は、自分たち以外の領分に踏み込もうとしすぎ」ではないかと…。私は、そう感じました。

今の世の中、こういう人が多いのでは無いでしょうか…。

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2007年11月26日 (月)

子供を本好きにするには大人が楽しむ!215

小さな子どもは「知りたがり屋さん」です。

でも、「知らない事だらけ」なのだから、当たり前ですよね(笑)。

「知らないから知りたい!」なんて事になりますが、好奇心を持つ事は良い事なのでしょう(ただし、その内容にもよりますが…。何でも知ろうとする事が良いとは限りませんので)。

うさぎのたまごは夕やけいろ」の主人公はモコという男の子のうさぎ。

ある日、自分の大切な宝物箱に、虫が開けたと思われる小さな穴を発見します。

「大変!ぼくの宝物が取られちゃう!!」思案して、土の中に埋めることを思いつきます。

外に出て、穴を掘り始めるモコ。すると、「こらっ、だれよ!」と誰かが叫ぶのですー。

いろんな生き物の出会って、「たまご」の事を知るモコ。たまごがどんなものなのか、それを守っているお母さんはどんな気持ちなのかー知らない事を知ろうとします。自分なりに一生懸命考えて、「こうすると良いのかな?」なんて考えたりもします。

確かに、うさぎの子どもにとっては、「たまご」はよく分からないものなのでしょうね。「たまご」から生まれる生き物では無いのですから。

そして、家へ帰ったモコは、うさぎのお母さんにその日の出来事を話すわけですが…。

この場面、人のよっては、感じ方がだいぶ異なるかもしれませんね。何となく、中途半端に感じてしまう方もいるかも…。

でも、まだまだ「知らない事」がたくさんある子どもには、「子どもの想像の余地があって、これで良いかも…」なんて思えるかもしれません。

私は…少し、中途半端に感じてしまったほうですが(笑)。

でも、「親が感じた事」よりも、読んだ子どもがどう感じたか、何を思ったのか、何を知りたくなったのか、などなど…。そちらの方が大切なのかもしれません。子どもに聞いてみたいものですよね。今度は、親が「知りたがり」になりますが(笑)。

本を読んだ後に、子どもといろいろ話をしてみる事は大切だとよく聞きます。

この本は、それに適した本だと言えるかもしれませんね…。

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2007年11月16日 (金)

久しぶりに…28

先日、私の好きな作家のひとり、阿刀田 高さんの「短編小説より愛をこめて」を読みました。

この作家を知ったのは、多分、高校生の頃。エッセーを読んだのですが、面白く、この方の文体や考え方に惹き込まれてしまい、以来、何冊も読みました。

ここ数年、あまり読んでいませんでしたが…。

久しぶりとなったわけですが、やっぱり、面白いです。「自分に合う作家」という言い方ができるのではないでしょうか。

阿刀田さんは、短編には並々ならぬ愛着を感じていらっしゃるようですし、こだわりもお持ちのようです。

私も、短編小説は好きです。もちろん、長くて、物語が完結するまでに、何冊も読まなければならないような長編小説も好きですけれどね。

阿刀田さんの小説は、「奇妙な味」とか言われていますし、「短編の名手」なんて呼ばれたりもしています。「身近な出来事」から題材を取り、「ありそうな恐怖」を感じさせる作品が多いです。

で、エッセーはどうかと言いますと…。親しみやすく、読みやすく、気取ったところが感じられない、ですかね。

作家だけあって、言葉遣い等、文章に関する作家らしい拘りは感じられるのですが、あまり押し付けがましくありません。自慢げに難しい言葉を羅列するわけでもないのです。

もしかしたら、この辺りが、私の好みに合致しているのかもしれないですね…。

今回のこの本も、阿刀田さんらしさが出ているエッセーだと思います。

ご自分が愛して止まない短編についてのエッセー、それから、ギリシャ神話に関するエッセー、ご自分の実際の体験などから感じた事を、自分の視点から書かれているエッセー、大きく分けると、この3つのジャンルのエッセー集です。

ここ数ヶ月、忙しくて精神衛生上良くない生活を送っていたのですが(笑)、良い息抜きになりました。

ただし…。

忙しかったので、睡眠時間を削って読みました(笑)。

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2007年11月15日 (木)

子供を本好きにするには大人が楽しむ!214

図書館へは、よく行きます。

娘と私の読書欲?を満たすには、図書館は欠かせません。いつも、読みたい本を購入していたら、大変な事になりますから(笑)。

図書館には、今はもう見かけないような古い本がありますし、出たばかりの新しい本もあります。

今回見つけた、「むしのおんがくがっこう (あかね・新えほんシリーズ 35)」も初版が出たばかり。当然読んだ事がありませんので、借りてみました。

音楽が大好きなテントウムシ。音楽を勉強したくてたまりません。「虫のおんがくがっこう」に入りたくてたまらないのですが、そこは、「鳴く事ができる虫」しか入れてもらえないのです…。

自分では鳴く事ができないテントウムシ。クツワムシの校長先生に「鳴けない虫は、この学校には入れられない。もう来ないでくれ!」と言われてしまいます。

悲しくなったテントウムシは、人間の町のゴミ置き場にたどり着きます。そこで、虫かごに入れられたまま捨てられていたカブトムシと出会い、助けてあげるのですが…。

「こうでなければ受け入れられない!」とか「あなたはこうだから、迷惑だ!もう来ないで!」なんて、今まで勝手に作り上げてきたルールを変えようとしないーこれは、人間の社会でも、よくある事ですよね。

でも、これってあまり良い事じゃないかもしれませんね…。

自分自身の独断と偏見、という可能性もありますからね。今まで出会った事が無い人とか状況とかを拒否するのではなく、もう一度見直すことが必要なのでは?私はそう考えています。

日本人は、特にこういう傾向が強いように思います。

何もかも、自分が正しいわけじゃない…。新しいものに出会ったら、今までの状況を見つめなおし、場合によっては受け入れるー。これは、必要な事でしょう。

そうでないと、自分も受け入れて貰えないかもしれない!なんて考えますが、如何でしょう?

大人も考えさせられる本でしたし、子供もそういった事を考えてくれるでしょう。

絵は繊細で、丁寧で、色がとてもきれいです。

お話の内容もそうですが、素敵な絵本でした。

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2007年11月13日 (火)

子供を本好きにするには大人が楽しむ!213

子供の頃、佐藤さとるさんの本をいくつか読みました。大好きでしたよ~。今でも、実家に何冊か残っています。夢がある、それでいて、本当に叶いそうな、本当に起こりそうな、そんな気持ちになってしまう内容が多かったですね。

今回見つけたのは、「ふっくらふしぎなおくりもの」。

読んだ事がありませんでしたし、子供の頃に見かけた記憶もありません。なので、子供だけでなく、私も読みたいと思いました(笑)。

むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんがいました(よくある出だしですね 笑)。二人は、毎年、お正月になるとお餅をお供えします。

そこへ、お餅が欲しくて、ねずみが現れます。優しい二人は、ねずみがお餅を持っていきやすいように小さくして、いくつか置いておきます。

その日はとてもお天気が良くて、おばあさんは川へ洗濯に、おじいさんは山へしばかりにでかけました。留守中、ねずみたちはちゃっかり(笑)お餅を持ち帰ります。

しばかりに行ったおじいさん、帰り道に手招きするねずみに出会います。ついて行くと、不思議な事が起こります…。

よくある昔話、とも言えますが、この絵本には意地悪な人は登場しません(笑)。

でも、それでいて、「人間の願望(欲望!?)」も見られますね~。どんなに良い人でも、欲しい物があるでしょう。ただ、それを受け取ることができる立場になったとき、自分はどちらを選択するか…。

人間ですから欲しいものはいろいろあるでしょうが、「自分にとって、幸せは何か?」を考えさせられる絵本でした。

子供が喜ぶお話ではありますが、大人も読んだほうが良いと思います。

理由ですか?この絵本の結末は、大人の方が考えさせられる事が多いでしょうから(笑)。

ここに書けないのが残念です(笑)。

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2007年11月12日 (月)

子供を本好きにするには大人が楽しむ!212

鮮やかな色彩に惹かれて(娘も)、思わず、「おひさまいろのきもの (日本傑作絵本シリーズ)」を手に取りました。

日本的な、きれいな色使いの絵本です。

とは言え、お話は、決して明るさだけが感じられるものではありません…。

この絵本の主人公の女の子は、目が見えない「ふう」。小さな頃に病気をしてしまい、それ以来、全く見えないのです。お父さんもいません(なぜいないのか、理由は書かれていませんが)。

でも、お母さんは毎日一生懸命働き、「ふう」を育てています。

「ふう」も、自分にできるお手伝い(みずくみや洗濯)をして、お母さんを助けています。

あきまつりが近づきました。「ふう」の仲良しの友だちは、あきまつり用の着物を作ってもらうようです。羨ましくなる「ふう」。

でも、おかあさんが一生懸命働いても、着物を作ってもらえるような余裕がない事を「ふう」はよく知っています。でも、そこは子どもです。本当は、自分も新しい着物が欲しい…。

そんなある日、「ふう」はついにお母さんにお願いするのです…。

一度も何かが欲しい、と言ったことがない「ふう」。お母さんは、そんな「ふう」のために、より一生懸命働きます。

もちろん、「ふう」も黙って見ていたわけではありません。一生懸命手伝います。

こういった粗筋で、「ちょっと、暗く悲しいお話かな?」などと思われるかもしれませんが、一概にそうとは言えません。寂しさ、悲しさを感じるのですが、登場人物たちの暖かさや優しさも感じる事ができますので、読み終わった後は、穏やかな気持ちになれます。これは、あくまでも、私がそう感じただけなのですが…。

「子どもの願いを叶えてあげたい」。私も、「ふう」のお母さんと同じ事をしたでしょう。特に、何かをお願いした事がない子どもであれば、余計にそう思ってしまいます。

二人きりの親子。だからこそ、気持ちがしっかり通じ合っているのかもしれませんね。「お互いを思う気持ち」というのは、子どもだけでなく、親も持ち続けていたいものです。

現代は、親子関係が希薄だとよく言われます。こういった本の内容が、「古臭い」とか、「ありえない」なんてならないような世の中であって欲しい…そう思っています。

この絵本の時代設定は、大正末期~昭和初期。町の市やあきまつりの様子が明るく、美しく描かれています。その中から、「ふう」を見つけ出すのも楽しいです。

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2007年11月 8日 (木)

子供を本好きにするには大人が楽しむ!211

おばけとしょかん」(笑)

題名を見ただけで、「どんな図書館?やっぱり、怖い??」なんて考えてしまったのですが…。

この本には、「本が大好きな」女の子とおばけたちが登場します。

本が大好きなボー。ベットに入っても眠くなくて、大好きな本を読むことにします。まじょが出てくる、とても楽しい本。でも、突然明かりが消えて、あやしいささやき声が聞こえて、ボーの大切な本を冷たい手が掴んで持っていこうとするのです!本を盗られたくないボーが、本をしっかり握り締めるのですが、いつの間にか、空中に釣り上げられてしまって…。

本が好きなのは、実は、ボーだけではなかったのです。おばけだって、本が大好き!?本が読みたかった?読んで欲しかった??

そんなおばけたちのために、ボーも力を貸してあげます。

ユーモラスで、ちょっと甘えん坊なおばけたち。ボーじゃなくても、怖くありません(笑)。私も、手伝ってあげたくなってしまうかも…。それに、本が大好きなおばけなんて、私も友達になりたいものです。

ボーとおばけたちの力で出来上がっていく、「おばけとしょかん」。建物の形にも、惹かれてしまいますね~。おばけが出そうな、魔女が住み着いていそうな、そんな建物です。

大人も楽しめる、夢のある優しくて暖かい絵本です。気軽に楽しめます。

手伝ってくれたボーへの感謝の気持ち?のプレゼントが、素敵ですし、羨ましいです。

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2007年11月 7日 (水)

子供を本好きにするには大人が楽しむ!210

諸事情により(仕事がらみですが)、1ヶ月以上も更新していませんでした…。

毎日こちらへ来て下さっている皆様、誠に申し訳ありませんでした!!

本日より、また頑張って更新していきたいと思います。

宮西さんの「ティラノサウルス」シリーズ、娘は大好きですし、私もお気に入りです。

今回は、「おれはティラノサウルスだ (絵本の時間)」を娘に読んでもらいました(笑)。

後で、絵を見ながら自分で読み直しましたけれど…。この絵本、絵も特徴があって、インパクトが強くて、私は好きです。

プテラノドンの夫婦に、かわいい子どもが誕生しました。

父親は「強く!」、母親は「優しく」、と願いをこめて、大切に育てていきました。

でも、子どもは成長するもの。この子どもとお別れの日がやってきました。静かに子どもを残して去っていく、プテラノドンの父親と母親。

一人で生きていかなければならないプテラノドンの子。そこへ、「恐ろしい」と教えられていたティラノサウルスが現れて危機がせまりますが、そのティラノサウルスが火山の爆発で大怪我を負ってしまいます。目も見えなくなってしまった様子。その様子を見たプテラノドンの子は…。

このシリーズの他の本と同様、結末は切なくなってしまいます。

親の教えを忠実に守るプテラノドンの子どもは、ある意味、とても素直で優しい子なのでしょう。

でも、その親の教えも一概には正しいとは言えない場合もある…私はそう感じました。

親の教えは正しくて絶対…小さな子どもの頃、私はそう信じていましたし、今も信じています。

でも、この親の教えによって、「偏見」というものが生まれてしまったら…そう考えると、自分の子どもと接するのが少し怖くなってしまいます。

こういった私の考えは、この絵本の趣旨から外れてしまうものなのかもしれませんが、今回、私自身の中に最も強く現れた考えである事は事実です。

子どもにいろんな事を教える場合、自分はどうなのか?、相手はどうなのか?何が正しくて何が間違っているのか?いろんな事をもう一度考えるべきだと痛感しました。

子どものお気に入りの絵本ではありますが(もちろん私にとってもそうですが)、親の私にとっては、切なくなると同時に、少々痛い絵本でした…。

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