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2006年7月20日 (木)

久しぶりに… 6

堀 辰雄さんの「風立ちぬ」を初めて読んだのは、いつだったか…。実は、覚えていません。

この本を読んだ当時の私は、おそらく、「人の死」について真剣に考える、という事がなかったのでしょう。

でも、30台半ばを過ぎると、「人の死」について考える機会が多くなるものです。そんな時に、ふと目に留まった「風立ちぬ」を読んだのです…。

この本の風景の描写の美しさは、他に比べるものがないのではないか、と思うほどです。でも、それが昨日、今日の鮮やかな描写ではなく、何となく、遠い過去を思わせます。

そして、この風景の描写の中に見え隠れする、「やがて訪れるであろう、恋人の死」と「二人の思い」…。季節は静かに移り変わっていきます。

あからさまな、はっきりとした表現を使っていない、静かな穏やかな描写なので、余計に悲しく、寂しく感じます。

主人公の男性が見つめる、恋人の節子…。節子はいったい何を思い、何を望んでいたのか…。私の場合、一度では読み取ることができませんでした…。

一見、平易な文章のようですが、複雑なものが隠されているー改めて読み直したとき、そう感じました。

最後の日々を、山の中のサナトリウムで二人で過ごすわけですが、これは、例えようもなく、辛いのではないでしょうか?こういう状況だと、現実(節子の病)から目を背ける事も、逃げる事もできないのですから…。

こういう最後の日々を過ごした節子は果たして幸せだったのでしょうか?そして、主人公は??

最終章の主人公の言動に、特に深い悲しみを感じます…。

確かに、初めて読んだときは、印象の強い本ではなかったのですが、今は違います。あらゆる場面に「死」を意識させる、忘れがたい本となってしまいました。

何となく、悲しい文章になってしまいましたが、それは、この本の描写が頭の中から離れないからでしょう!!

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コメント

君の目に 映る景色の 美しさ
瞼の裏に 我は焼付け

 大変、失礼なのですが、私は、この本を読んで結核というかサナトリウムに、憧れました。長野でしたよね?にも行きました。
 モデルとなった綾子さんも大変可愛い人ですね?
 結核は、不治の病ではなくなりましたが、今も法廷伝染病です。治療費は、出る上に、手当てが、支給されるから、酒は飲むわ!煙草は吸うわ!・・現代のサナトリウムの実態については、実際に、入院した方が、話してくれましたが、つまらない話をしてすみません!
 「風立ちぬ」のアイドル映画が、あまりに酷く・・・

投稿: 鵺娘 | 2006年7月20日 (木) 10時56分

>鵺娘さん
>「風立ちぬ」のアイドル映画が、あまりに酷く・・・
ご覧になったのですね。私は、見ていません(笑)。本当に、アイドルの映画というのは、始末に終えませんね。私は、好きじゃないです…。アイドルたちは、原作をどこまで理解し、愛しているのでしょうか…。

投稿: リーヴル | 2006年7月24日 (月) 09時33分

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