« 子供を本好きにするには大人が楽しむ!116 | トップページ | 子供を本好きにするには大人が楽しむ!118 »

2006年6月30日 (金)

子供を本好きにするには大人が楽しむ!117

スペインのベラスケス、という画家をご存知の方は多いと思います。あの有名な「女官たち(ラス・メニーナス)を描いた画家です。

中央にまだ5才だった王女のマルガリータ。国王、女王、女官、ベラスケス、そして、「道化」と呼ばれる人たちが描かれています。

実は、この絵にまつわる話として書かれた「宮廷のバルトロメ」を読みました。

フィクションだと思われるのですが、この本には解説がついていないので、なんとも言えません。

この本の主人公は、バルトロメという少年が主人公です。実は、バルトロメは障害を持っていて、誰かに支えてもらわないと自分で歩くことが出来ない体なのです…。

父親は、首都マドリードで暮らす王女マルガリータの御者を務めていて、離れた場所に住んでいる家族の元にはなかなか帰って来れません。

ある日、家族みんなでマドリードに引っ越すことに。でも父親は、バルトロメを知人の家に置き去りにしようとします。

障害を持つバルトロメが都会の人目に触れることを恐れ、彼の将来をこう案じたからなのです。「こういう障害を持った人間は、都会では将来、乞食をするしかない。人に蹴られ、あざけられて暮らすしか道はないのだー。」

この辺りから、バルトロメの心の叫びを痛いほどに感じます。

結局、他の家族や、「決して人前には出ない。どんなに辛くても我慢するから。」というバルトロメの懇願を父親は受け入れ、マドリードでの生活が始まります。

兄弟たちは、何とかバルトロメが生きがいや楽しみを持てるように知恵を絞りますが、これが結果として、信じられない悲劇を生みますー。

この悲劇が、冒頭に書いた、あの絵に繋がっていきます。

細かい内容をここで書くわけにはいきませんが、あの絵の中の人物たちとバルトロメは関わりを持つこととなります。

差別や妬み、偏見、人の痛みや苦しみを理解できない(教えられていない)上流階級の人間たち(ここでは王女とそのお付の女官たちですが)ー。特に、無知とは言え、王女の発言にはぞっとしました…。

今もこういう悲劇がどこかで起こっているのではないでしょうか?

「ぼくは人間だ!」と叫ぶバルトロメ。障害を持ってはいますが、困難を乗り越えようと懸命です。

バルトロメを心配して奔走する家族と対照的に、父親の冷たい発言や偏った考え方が時々目に付きますが、実は、本当はバルトロメを心配し、子供として愛しているのではないでしょうか?私はそう感じました…。

私が最近読んだ本の中では、かなり強烈な一冊です…。

*ランキングサイトに参加しています。いつもクリックありがとうございます。

ここをカチッとお願いします!!

|

« 子供を本好きにするには大人が楽しむ!116 | トップページ | 子供を本好きにするには大人が楽しむ!118 »

コメント

「女官」の絵の犬の所にいる黒い服の女の人、可笑しくないですか?子供?大人?中央に、いる王女も顔だけは、大人に見えるのですが?子供の頃からの疑問です。
 昔、「エレファントマン」という映画が、ありました。文部省特選とも、なりました。「障害のある主人公を保護したお金持ち達は、主人公の事を、優越感を持って見ているだけで、真から、思っている訳では、ない!」と書くと「深い!」と言われました。私は、別の事を考えていました。「そんな事は、すべて承知の上で、主人公の方で、周囲を利用していたのでは、ないか?それで、見世物小屋より良いお金が、稼げるなら構わない!」
私の考えは「間違っている」そうです。
 苦労知らずに、育った為に、人を疑う事を知らないし、本当の意味での「良い人」も稀に、います。しかし、そういう「良い人」の持つ鈍さが、怖い事もあります!

投稿: 鵺娘 | 2006年6月30日 (金) 11時06分

>鵺娘さん
>苦労知らずに、育った為に、人を疑う事を知らないし
私も途中まではそうでした。それで痛い目に遭いましたよ!なので、今はまず「疑ってかかれ!」です。容易に人は信用しませんし、できません。
でも、そうやって自分で学んでいかなければ分からないものですよね。

投稿: リーヴル | 2006年7月 3日 (月) 09時14分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/106177/10731786

この記事へのトラックバック一覧です: 子供を本好きにするには大人が楽しむ!117:

« 子供を本好きにするには大人が楽しむ!116 | トップページ | 子供を本好きにするには大人が楽しむ!118 »