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2006年6月30日 (金)

子供を本好きにするには大人が楽しむ!117

スペインのベラスケス、という画家をご存知の方は多いと思います。あの有名な「女官たち(ラス・メニーナス)を描いた画家です。

中央にまだ5才だった王女のマルガリータ。国王、女王、女官、ベラスケス、そして、「道化」と呼ばれる人たちが描かれています。

実は、この絵にまつわる話として書かれた「宮廷のバルトロメ」を読みました。

フィクションだと思われるのですが、この本には解説がついていないので、なんとも言えません。

この本の主人公は、バルトロメという少年が主人公です。実は、バルトロメは障害を持っていて、誰かに支えてもらわないと自分で歩くことが出来ない体なのです…。

父親は、首都マドリードで暮らす王女マルガリータの御者を務めていて、離れた場所に住んでいる家族の元にはなかなか帰って来れません。

ある日、家族みんなでマドリードに引っ越すことに。でも父親は、バルトロメを知人の家に置き去りにしようとします。

障害を持つバルトロメが都会の人目に触れることを恐れ、彼の将来をこう案じたからなのです。「こういう障害を持った人間は、都会では将来、乞食をするしかない。人に蹴られ、あざけられて暮らすしか道はないのだー。」

この辺りから、バルトロメの心の叫びを痛いほどに感じます。

結局、他の家族や、「決して人前には出ない。どんなに辛くても我慢するから。」というバルトロメの懇願を父親は受け入れ、マドリードでの生活が始まります。

兄弟たちは、何とかバルトロメが生きがいや楽しみを持てるように知恵を絞りますが、これが結果として、信じられない悲劇を生みますー。

この悲劇が、冒頭に書いた、あの絵に繋がっていきます。

細かい内容をここで書くわけにはいきませんが、あの絵の中の人物たちとバルトロメは関わりを持つこととなります。

差別や妬み、偏見、人の痛みや苦しみを理解できない(教えられていない)上流階級の人間たち(ここでは王女とそのお付の女官たちですが)ー。特に、無知とは言え、王女の発言にはぞっとしました…。

今もこういう悲劇がどこかで起こっているのではないでしょうか?

「ぼくは人間だ!」と叫ぶバルトロメ。障害を持ってはいますが、困難を乗り越えようと懸命です。

バルトロメを心配して奔走する家族と対照的に、父親の冷たい発言や偏った考え方が時々目に付きますが、実は、本当はバルトロメを心配し、子供として愛しているのではないでしょうか?私はそう感じました…。

私が最近読んだ本の中では、かなり強烈な一冊です…。

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2006年6月27日 (火)

子供を本好きにするには大人が楽しむ!116

また犬関係の本を(笑)。

子供が犬好き、だけでなく、実は私も好きなのですが(笑)。

でも、「だめ犬フーフー」は、ちょっと、今まで紹介してきた本と犬の様子が違います。

まさのり君は、今の家に以前住んでいた人の飼っていた「フーフー」という犬を譲り受けます。

でも、このフーフー、ちょっと変わった犬なのです。「お手」も「お座り」もしない、一日中寝そべって、まさのり君と遊ぼうともしない。散歩に連れ出そうと紐をつけると、絶対動かない…。

まさのり君もお父さんもお母さんも手を焼いています。正直、フーフーがかわいくない様子。

そんなある日、雨が降ったとき、せんたくものがいつの間にか取り込まれている、という変な事が起こったのです。その時家にいたのは、フーフーだけ。どういうことでしょう?

そして、ある日、まさのり君は、フーフーがどこかへ出かけていくのを見つけ、後を追いかけてみるのですが…。

こういう犬の様子を書くと、飼い主と心が通じていない、懐いていない、と言われそうですよね。

確かに、フーフーは飼い主が変わってしまって、人間には想像できないくらいの悲しみを感じたでしょう。飼い主の都合とは言え、フーフーはどんな気持ちだったか…。

いろんな事が起こり、まさのり君とフーフーの関係も微妙に変化していきます。まさのり君は、フーフーの事を少しずつ理解していきます。多分、フーフーもまさのり君を理解する(認める?)ようになっていったのでしょう。

これって、人間同士の関係にも言えるかも…。

結末には、何だかホッとしたのですが、考えさせられる内容でした。犬が好きなので、ついつい犬の方の気持ちになってしまったからでしょうが…。

でも、犬は人間が思っているより、ずっとたくさんの事を考えているんでしょうね!

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2006年6月26日 (月)

子供を本好きにするには大人が楽しむ!115

赤ちゃんだった子供も、少しずつ、友達と遊ぶことを覚えていきます。

その中で、けんかしたり、仲直りしたり、相手に意地悪をしてしまったり、「仲間に入れて!」と言うのをためらったり…。

少し、親から離れ始めた子供の心の中と行動をかわいらしく書いた「うさぎのダンス」。誰にでも、こんな事があったのでは?なんて思ってしまう本です。

うさぎが集まって楽しそうにダンスをしています。それをたまたま見かけたたぬきのポンちゃん。

「楽しそう!ぼくも入れて欲しい!!」そう思います。でも、ポンちゃんはたぬき。入れてくれるのかな…とポンちゃんは悩みます。そして、うさぎのダンスに入れてもらうには、うさぎに化けるしかない!と思いつきます。

で、うさぎにうまく化けるために試行錯誤するのですが…。ポンちゃんの作戦はうまくいくのでしょうか?

「自分は他の子と見た目が違う!」、「仲間に入れてくれるかな?」、「どうすれば仲間に入れてもらえるのかな?」などなど、小さな子供も、それなりに一生懸命考えているようです。

でも、大人も実はそんな事、考える機会が多かったりして(笑)。

小さな子供同士でも、既にいろんな感情が芽生えているんですよね。大人とあまり変わらないかも…。

けんかしたり、仲直りしたりして、本当の友達ができるようになるのですから、ためらわずに、進んで欲しいー私はそう思っています。

でも、大切なのは、「人の中身を見ないで、外見だけで判断して欲しくない!」という事。この本では、そんな事もさりげなく書いています。

うさぎに化けるために試行錯誤するポンちゃんが、かわいくておかしいです。子供なりに一生懸命なんですよね。

で、お話の最後の場面の絵(この本、絵もかわいらしいです!!)、思わず笑ってしまうと共に、微笑ましくて、こんな風に友達と過ごして欲しいな~なんて親としては思ってしまいました。

幼稚園や保育園へ行き始めたお子さんをお持ちなら、より共感してしまいそうな本です。

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2006年6月23日 (金)

久しぶりに… 5

久しぶりに、アンデルセンを読みました。

それも子供向けに出ている本ではなく、大人向けのものをー。

アンデルセンは、150以上のお話を書いているそうです。でも、日本を含め、世界中でよく知られているお話は、ほんの一握りだそうです。有名なお話なら(例えば、「みにくいアヒルの子」とか「人魚姫」、「火打ち箱」)、誰でも一度は読んでいますよね。

でも、その150篇のお話の中に、読んだことはないけど、面白いお話があったとしたらー。ちょっと、損していますよね(笑)。

そんな、世間であまり知られていないお話を中心に集めたのが、「本当に読みたかったアンデルセン童話 」です。

この本、はっきり言って、子供向けではありません。小さなお子さんに読んであげるには、少々重過ぎるお話も入っていますからー(個人差はあるでしょうから、止めたほうが良い、とは言えません)。

確かに、読んだことのないお話がたくさん入っていました。

でも、それだけではなかったんです!

昔読んだ、アンデルセンの童話集に収録されていたお話で、現在、探しても見つからないものも収録されていたんですよ!懐かしいし、嬉しかったです。

「眠りの精 オーレ  ロクオイエ」は、大好きなお話だったんですが、見つからなかったんですよ(泣)。私の探し方が悪い?でも、見つかって良かったです。

「パンを踏んだ娘」もあまり見かけませんね。でも、この本には収録されていました。

この本に納められているお話の傾向としては、少々辛口で、教訓に満ちたものが多いです。久しぶりにアンデルセンを楽しみました。

大人になっても楽しめる童話、ですね。

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2006年6月22日 (木)

子供を本好きにするには大人が楽しむ!114

私は、空気のきれいな田舎で育ちました。

一応、住宅街ではあったのですが、少し歩けば山もありましたし、水田もありました。

星や月は見放題(笑)。ベランダで、よく星を眺めていた時期もありました。

子供と一緒に帰省した時は、もちろん、見せてあげましたよ。子供も大喜びでした。やっぱり、都心とは星の見え方が違います…。

星や月に興味を持ち始めた娘は、「星と月のコレクション」にも興味を持ち、喜んで眺めていました。子供も見やすい、絵本タイプの図鑑です。

流星群や月の満ち欠けの写真、星をこうやって繋ぐと「○○という星座」になるーなどなど。基本的で、星空を楽しむには十分な情報が出ています。

私も結構天体は好きなので、子供と一緒にこの本を眺めました。本当に写真がきれいです。見飽きることは無いですね。

この本、天体写真家の手によるものなので、星空の写し方まで解説してありました。こちらも娘は興味津々。

惑星、恒星、流星、彗星…。どのくらい理解してくれたかは分からないのですが、いろいろ解説してあげました。

かなりお気に入りの本になったようで、一緒に見た後も、一人でこの本を楽しんでいます(笑)。

挙句の果てに「天体望遠鏡、欲し~い」(笑)。何を言ってるんだか…。

夏には実家に帰省する予定なので、また親子で星を眺めようと思います。この本で予習(?)したから、もっと楽しめるかな??

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2006年6月21日 (水)

子供を本好きにするには大人が楽しむ!113

小さな子供が、身近な人間の死を受け入れる、理解するのは難しいようです。

私の子供もそうでした…。大好きだったおじいちゃん。もう二度と会えない、とは何となく分かっているようなのですが、仏壇にお供えをすると、「いつ食べに来るの?」なんて言っていた時期もありました…。

子供向けにこういう話を取り上げるのは難しいと思うのですが、「おじいちゃんがおばけになったわけ」は、ちょっと違います。重苦しくないのですが、心に残る絵本なのです

大好きだったおじいちゃん(じいじ、と呼んでいます)が死んでしまい、エリックは悲しみます。でも、おじいちゃんはどうなってしまうの?エリックは子供らしい疑問を持ちます。

そんなエリックの元に、ある夜、おじいちゃんが現れるのです。

驚くエリック。「おじいちゃんは、おばけになっちゃったんだ!」エリックはそう考えます。でも、どうして?

おじいちゃんは、この世に何か忘れ物があるようなのです。それを、二人で毎晩、一生懸命に探すのです…。

お話が進むにつれ、エリックは、少しずつおじいちゃんの死を受け入れていくように見えます。最後のエリックの言葉が、それを感じさせます。

でも、エリックの心の中には、きっと、いつまでもおじいちゃんの思い出が残るでしょうね。最後に出来た、素敵な思い出になるでしょう…。

そして、何より微笑ましく、切なく感じるのが、おじいちゃんの思い出の場面です。絵も素敵ですね。

重苦しく、悲しいテーマを子供向けにうまく描いていると思います。

おばけになってしまったおじいちゃんの困りきった表情や言葉がユーモラス。おじいちゃんのために一生懸命になるエリックもかわいいです。

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2006年6月19日 (月)

子供を本好きにするには大人が楽しむ!112

子供というのは、いつか親から離れてしまうものです。

なかなか親離れしない子供でも心配要らないんだそうで…。

そんな子供の最初の親離れを描いた「ずっとママといっしょがいいの!」。

甘えん坊の私の娘ですが、一応、少しは私から離れるようになったので(笑)、この本の状況が懐かしくもありました。

カンガルーのママとその子供のべビルー。本当は、一人で跳ね回る事ができるくらい大きくなっているのに、なかなかママのお腹の袋から出てこようとしません。

かなり大きくて重いべビルー。でも、そんなべビルーをお腹にいれたままで、カンガルーのママは、「外の世界が以下に素晴らしいか」を見せようと、あちこち飛び回ります…。

でも、甘えん坊でママのお腹の袋が大好きなべビルーはなかなか興味を示さないのです。べビルーは、どうやってママから離れるようになるのでしょう?

どんな子供にも、こんな時期はありますよね。私の子供にも、似たような時期がありました。

社交的で、同年代の友達と遊ぶのが大好きなはずの私の子供。託児所に預けていた時期があるのですが、預けに行った時、私に抱きついたまま離れず、私がいなくなった後もお気に入りの先生にしがみついたまま、ずっと泣いていたのです…。

ちょっと心配になりました。でも、そんな心配もすぐになくなりました(笑)。きっかけはよく分からないのですが、「託児所大好き!!」になってしまい、今度は迎えに行っても、なかなか帰りたがらなくなってしまったのです(爆)。

そのおかげで、その後通うことになる幼稚園には、すぐに馴染んでいました。迎えにいくと「もう来ちゃったの!?」と言われる始末(笑)。

子供がどんなきっかけで親から離れるのかーそれは一概には言えないと思います。でも、自然に離れるようになるものなんですよね。どんなに甘えん坊な子供でも大丈夫なんですね(笑)。

この本を読んで、あの頃を思い出してしまいました。

とは言え、まだまだ甘えん坊ですよ、私の娘は。外ではしっかり者で通っているようですが、家では、結構ベッタリ、くっついてきます(笑)。

ま、でも、いずれは…。

だけど、そうなったら、私は寂しいかな(笑)。

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2006年6月16日 (金)

子供を本好きにするには大人が楽しむ!111

親子ともども、表紙に引かれて手にした絵本、というのも結構多いです(笑)。もしかして、絵の好みが似ている!?

今回の「ポテト・スープが大好きな猫」もそうです。ま、私の場合、この絵本はあの村上春樹さん(特に好きな作家、と言うわけではないです)の訳、という事もあって、興味を持ったのですが…。

とはいえ、この絵本でまず惹きつけられるのが、やっぱり、「絵」でしょう。

丁寧に描かれていて、穏やかで本当に心が安らぎます。この絵本のお話にふさわしい、ゆったりした、暖かい時間を感じることができるのです。

一匹のメス猫と暮す、おじいさん。ちょっとぶっきらぼうですが、優しさを感じさせられます。この猫は自分で魚やねずみを捕まえることなく、おじいさんの作るポテト・スープを食べ、ゆっくりと暮らしています。

一緒に釣りに行ったり(湖に浮かぶおじいさんの漕ぐ舟に座った猫が良いです!)、くつろいだり、同じベットで眠ったりする二人(?)ですが、いつも一緒にいる割には、お互いに干渉しないーそんな間柄に見えます。老後を過ごす、夫婦(?)のようですね(笑)。

でも、ある日、一緒に出かけるはずの時間になっても猫は起きてきません。いつもと違う時間を過ごした二人は…。

愛情表現をしない、干渉しない、必要がなければしゃべらない…。でも、そこにいないと寂しくてやり切れない…。そんな関係なのでしょう。

私的な意見なのですが、こういう関係は理想ですね。安らぎますし、落ち着きます。

猫と人間のお話なのですが、人間同士の付き合い(夫婦関係だけじゃなくて)にそのまま当てはまる、そう感じさせられた本でした。

なんて事を考えていたら、これは子供の絵本、というより、大人の絵本という方がふさわしいかも!なんて思ってしまいました(笑)。

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2006年6月14日 (水)

子供を本好きにするには大人が楽しむ!110

「相手の気持ちを考える」

これは、とても難しいことです。大人にとっても、とても難しいこと。

当然、子供にとっても、もの凄く難しいことになりますよね。学年が上に上がるほど、こういう場面に出会うことは多くなります。

でも、「相手の事を考えている」のだけれど、相手は「違うことを考えている」場合が実は多いのですし…。うまくいかないです。私もそうでした…。

そんな学校の様子をオタマジャクシの学校に置き換えて書かれている「オタマジャクシのうんどうかい」。かわいらしく、軽快な表紙と題名からはあまり想像できない、そういう「重いテーマ」を扱っています。

オタマジャクシの学校で運動会が開かれることになり、かけっこ(オタマジャクシだから、泳ぐのですが)の練習をみんなでしています。

みんな一生懸命に泳いでいるのですが、運悪くザリガニに尻尾を半分切られてしまったタマは、どうしても遅れてしまうのです。

ハンデを負ってしまっているタマを気遣う、他のオタマジャクシたち。「何か良い方法はないか??平等にならないのか?」みんな、懸命に考えます。

そして、出された一つの結論。良い事をしているように見えるのですが、タマは、本当は何を望んでいたのでしょうか?

子供向けの本ではありますが、難しいテーマです。読んだ大人のほうが考え込んでしまうかも…。

相手を気遣った行動のはずが、返って相手を傷つける場合もありますし…。

確かに難しいですよね。人によって考え方は違いますから。だから、どうしていいか分からない場合が多いと思います(大人だってそうですよね?)。

ただ、結論を出せなくても、せめて、「相手のことを考える」心は常に持っていて欲しいものです。

でも、この本の結末には、何だか安心しました…。「オタマジャクシ」ですからね。いろんな事があって、成長していく……のですよね。人間と同じように。

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2006年6月12日 (月)

子供を本好きにするには大人が楽しむ!109

いろんな国に伝わる、いろんな民話。

日本人なので日本の民話も当然好きなのですが、馴染みのない、外国の民話というのも、新鮮でとても面白いものです。

とても大きな国であるロシアの有名な民話、「森は生きている」もロシアらしい、美しい、そしてスケールの大きさを感じさせる忘れがたいお話です。

ロシアでは、大晦日に12の月の精が森の中に集まるという民話が言い伝えられているそうです。

この「森は生きている」は、マルシャークという作家がそんな民話を再話したものです。なので、元々のお話とは、登場人物も結末も違っているようです。

意地悪な継母、そんな継母に苛められる妹、そして継母の娘である悪知恵が働く姉娘が出てくるのですが、これはどこの国の民話にもよくあるパターンですよね(笑)。

わがままで意地悪な継母と姉に言いつけられ、妹は吹雪が吹き荒れる森の中へいろんな用事を言いつけられ、出かけます。

そんな中、わがままな女王様が大晦日には無いはずの、春にしか咲かない「マツユキソウ」を籠いっぱいお城に持ってきたら、金貨を与える、というおふれを出したばっかりに、欲深い継母と姉は金貨が欲しくて、戻ったばかりの妹に「マツユキソウを探して来い!」
と命令するのです。

大晦日のロシアの森。想像を絶する寒さです。そんな大晦日の森で、妹は言い伝えどおり
に、12の月の精に出会うのです…。

このシーンが幻想的。12の月の精たちが見せる、その月々の森の風景がとても美しく、引き込まれてしまいます。

心優しく、けなげな妹。妹を利用して、自分たちだけ良い思いをしようとする継母と姉。自分の気に入らない者は「死刑にする!」と平気で口にする女王様。そんな女王様に振り回され、手を焼く家来たち。

いつの時代にも、こういう人たちは存在するものです。民話の中の場合、こういう「悪い」人たちには、天罰が下る場合が多いですよね。現実もそうだとは言い切れないのですが(笑)。

でも、この本の最大の見せ場は、12の月の精が見せる、その月ごとの自然の美しさと厳しさです。自然が破壊されつつある今も、12の月の精は、森の中に集まることがあるのでしょうか?昔と変わらない美しい風景を見せてくれるのでしょうか?

大切なものは、人の心だけではなく、自然も同じー私はそう感じました。題名のとおり、「森は生きている」のです。

美しい季節を鮮やかに描いている絵も美しいです。

本当に、「美しい!」という言葉がぴったりくる、素敵な民話でした。

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2006年6月 9日 (金)

子供を本好きにするには大人が楽しむ!108

なぜか、季節外れの本をわざわざ選ぶ傾向がある、私の子供(笑)。

これは、小さい頃からの怪しい習性(笑)なんですね~。真夏なのに「クリスマス」の本とか、真冬なのに、「夏休み」に関係する本とか(爆)。

ま、悪いことではないのですが…。でも、ちょっと変わり者??ずれてる??

今回も、何を考えたのか、雪だるまのお話の「マールのかくれんぼ」を選んできました…。ほんと、季節外れ…(笑)。

ま、それは置いといて…。

これは、雪だるま「マール」の家のある日の出来事を書いた本です。

マールの家は、お父さん、お母さん、お兄さん、お姉さん、そしてマール5人家族。

みんなで揃って朝ごはん(雪だるまの朝ごはんですから、当然、人間の朝食とは違うものを食べています。ちょっと意外だけど納得できるものです。 笑)を食べていました。

今日はもの凄い吹雪で外へ出られそうにありません。飛ばされてしまうからです。

お父さんは、子供たちに「(家の中で)かくれんぼをしよう!」と提案します。でも、この提案、末っ子のマールには少し問題があったのです…。さて、その問題とは??

この問題は、ゆきだるまならではのものです。書いてしまうと種明かしになってしまうので、書けませんが…。でも、ゆきだるまの特徴を考えると、分かるかも。

人間の世界でよくある日常の光景。これを、不思議な雪だるまの世界に置き換えて書いた、ほのぼのしたお話です。

雪だるまなんだけど、人間の子供と変わらないマールの子供らしい考えと言葉がなんとも言えずかわいらしいですね。

寒い場所の寒い季節のお話ですが、「家族っていいな~」なんて思えました。心が暖かくなります。

おおらかで形のとらわれない、ノビノビした絵も何だかホッとしました。

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2006年6月 7日 (水)

…マニア?22

ついでなので(笑)、松本清張さんの本の話をもう一つ…。

松本清張さんは、推理小説も面白いのですが、いわゆる「社会派」の小説も面白いと思います。

先日の「黒い画集」ですっかり味をしめた私は、松本清張さんの本をいろいろ読んでみました(母の本棚にある本も、です)。

黒革の手帖」も読みましたよ。これは、自分で買いましたけれど(笑)。

これは、ドラマ化もされているので、「どんなお話か」をここでいちいち書く必要は無いと思いますが、原作も面白いですよ♪

ドラマと違うところは、主人公の「元子」は、ドラマほど美人ではない、という事です(笑)。どちらかと言えば、女性としての魅力に乏しく、男性もあまり興味を持たないタイプでしょうね。

ま、でも、クラブのママに納まるあたりから、少しずつ、変貌していきますが…。

それにしても、ここまで欲をむき出しにして生きていけるのは、ある意味、凄いことなのかもしれないですね。その分、働いた悪事も凄い(笑)。

何をするか分からない、「闇の部分」を持つ男たちに、女が一人でここまで戦いを挑めるとは…。命の危険は感じないんですかね(笑)。元子の悪事を肯定するわけでは無いのですが、元子の強さは正直、凄いと思います。

でも、ここに出てくる人たちは、みんな「同じ穴のムジナ」だと思いますね。騙されても仕方が無い、と言うか、騙す、騙される、が勝ち負けの問題になってしまっている…。

普通なら、悪人VS騙されて泣き寝入りする人(警察に駆け込む人、とか後の人生を狂わされる人、とか。要は弱者や善人ですね)という構図が多いと思うのですが。

悪人VS悪人というのは、話に凄みが出ますし、小説として、かなり楽しめると思います。誰が味方か分からない、でも、みんな敵かもしれない…。

それにしても、本当にありそうな話なのが、怖いです…。

ちなみに、TVドラマとは結末は違いますよ。

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2006年6月 6日 (火)

…マニア?21

松本清張の本で初めて読んだのは、母の本棚にあった、「黒い画集」。

当時、松本清張原作のドラマもありましたし、結構有名だったので、「読んでみたい」と思っていたのです(私は中学生くらい?)。

で、たまたま、母の本棚で見つけ(松本清張、横溝正史が一番多かったです。笑)、こっそり借りて(笑)読んでみました。

この「黒い画集」は、結構、身近に起こりそうな話が収められている短編集です。松本清張は、どちらかと言えば、身近なところから題材をとる、と言われていますよね。

面白かったです!今もたまに読み直すのですが、やっぱり、面白いです。

どれも好きなのですが、中でも「遭難」が格別です!

犯人の心理、追い詰める側の心理、そして、殺されてしまった人の心理…。心理戦です(笑)。

「この人がおそらく、殺したのだろう」と予想はつくのですが(犯人探しをする推理小説ではないです)、どうやって??どうして??という部分の描写が巧みで、思わず、身構えてしまいます。

次が、「凶器」ですね。殺人事件の凶器が見つからず、容疑者を捕まえられずにいるー。でも、思わぬところから、凶器がこれだ!と閃く…。最後に出てくる、犯人の凶器の始末の仕方に、思わずぞっとしました…。

映画化された有名な「天城越え」も入っています。

書かれた時代が古いので(昭和30年代くらい)、少々古めかしく感じますが、当時の風俗を知る、という意味でも面白いと思います。粒ぞろいの「濃い」短編集ですね。

実は、松本清張の本の中でも、一番気に入っていたりして(笑)。

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2006年6月 2日 (金)

久しぶりに… 4

昨日なかなか眠れなくて、懐かしい本を手にとり、結局最後まで読んでしまいました(笑)。朝だと言うのに、少し眠いです…。

木かげの家の小人たち」を初めて読んだのは、小学生の頃。続編もありますよね(その話はまた今度ー)。

それから、何度も読みました。

現実には存在するはずの無い、小人たち。でも、未だに、こういう小人たちは存在するんじゃないのかな?なんて思う事もあります。

この本は、「ファンタジー」と言えるのかもしれませんが、何だか妙に現実的で、本当に会ったことのように感じてしまうのはなぜでしょう?

本当に小さな、手のひらに乗ってしまうような小人たちと、その世話を任された森山家の人々の物語です。

この小人たちに必要なのは、青色の美しいコップ1杯のミルク。これを、毎日欠かさずに小人たちの住まいのそばに置いてあげる、というものです。

優しい森山家の人々に守られた、平和で静かな小人たちの生活。

ミルクを運ぶ係は、やがて、父親の代から子供の代へと引き継がれていくのですが、最後に任されるのが、ゆりという女の子。

途中から、ゆりを中心として話が進んでいきます。

と、ここまでのあらすじだと、単なるファンタジーになってしまうのですが、ここにあの戦争による悲劇が絡んでくるのですー。

家族のため、そして小人たちを守るため、平和を願い、一生懸命なゆり。ただのファンタジーと思えないのは、こういう部分の描写があるからなのでしょうか?

でも、この物語は、決して悲惨で悲しいだけのものではありません。

何があっても前向きに生きようとするゆりと小人の子供たちの成長が感じ取れる、力強い物語です。

ただ、今の私の心の中に湧き上がるのは、寂しさ、なのです…。子供の頃と、ちょっと違う感想…。それは、私が親になったから?

親になったから?読んでいない方に失礼なので、詳細はちょっと…(笑)。

子供向けとは言え、結構長い本ですよね。今日一日の記事で済ませるのは間違いだったかも…。私自身の思い入れがそれだけ強い、という事もあるのでしょうが…。

私の子供が読むのには、まだ少々難しい(読めない漢字もあるでしょうから)でしょうね。読み聞かせするには、長すぎますし(のどが痛くなりそう 笑)。

でも、いつかは読んで欲しい、どう感じたか話して欲しい、なんて思っています。

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2006年6月 1日 (木)

いつか子供に読ませたい!55

「田園小説」と呼ばれる分野があります。

何も難しいことはありません。読んで字のごとく!です。

私は結構好きですね。穏やかで優しくて、自然の美しさを楽しむことができる…。ま、少々、この「田園」というものを美化しすぎている、という声もあるようですが、フィクション、小説だから良いのではないでしょうか?

小学校6年生の頃、初めて、「愛の妖精」を読みました。結論から申しますと、子供だった私は、この本の本質を見抜けませんでした…。ただの「恋愛小説」で片付けてしまうと言う愚かさだったのです…。

ただ、作者のジョルジュ・サンド(女性です)には、興味を覚えました。複雑かつ華やかな生活を(いろんな意味で 笑)送っていたようです。当時のいろんな分野の天才たち(有名なのはショパンですね)と交流がありましたしー。

もちろん、簡単な説明でしたが、およその想像はつきました。

この頃は既に、巻末にある「解説」の部分を読むようになっていたので、作者の経歴やどんな生活を送ってきたか?なんて事を知るようになり、いろいろ自分で調べてみたりしました。

この物語は、一卵性双生児の男の子達の誕生部分から書かれています。見た目は確かにそっくりですが、性格がかなり違うようでー。でも、いつも一緒で離れがたい仲です。

そして、この二人が成長するにつれ人との関わりが増えていき、人間模様が複雑になり、双子の仲も微妙に変化していきます。

弟の人との付き合いに嫉妬する兄。そんな兄を疎ましく感じ始める弟。

そこに現れる「こおろぎ」と呼ばれる少女。双子の弟がこの少女と恋に落ち、これで更に話は複雑になっていきます。

ただ、この本のメインのテーマは、この兄弟の愛情と成長にあると思います。サブが「こおろぎ」と言われる女性の恋のよる、変身と成長でしょうか。「みにくいアヒルの子」のように。

私は双子ではないので(関係ないかもしれませんが)、この兄弟の心情が、正直、理解しきれない部分があります。

でも、よくよく考えてみると、この双子の性格は、「一人の人間の両面」と見る事もできるのではないでしょうか。だから、こんな感情が芽生えてしまう??

兄弟・姉妹、家族関係が昔と比べて壊れやすいと言われている現在では、この本の兄弟愛は少々違和感を感じるかもしれません。でも、心理描写がきめ細かく巧みなので、共感できる部分も多いかもしれませんね。

私は、こういった本を読むことにより、自分の家族関係を見直すことができるのでは?なんて思ったりもしています。

ただ、この本を初めて読んでから20年以上の月日が流れていますが、まだまだ読みきれていないーそんな気がしています。

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