子供を本好きにするには大人が楽しむ!107
自然破壊、環境破壊がかなり問題になっています。
いろいろありますが…動物たちが人間のせいで住む場所を追われたり、絶滅したりするのは、とても悲しい事です…。
実際にあった事件を元に書かれた「風になったヤギ」も、深く考えさせられる絵本でした。
東京都心から南へ300キロ離れた八丈島。そこから7キロほどの場所に八丈小島という小さな島があるそうです。
この絵本は、その島をモデルに書かれた、ヤギたちのお話です。
島は、無人島となってしまうのですが、その住民が残したヤギが異常繁殖、草木を食い荒らし(本当にヤギのせい?という声もあったそうです)、がけ崩れが起こったせいで海が汚染されてしまいます。ヤギは500頭にもなっていたとか…。
いろんな議論が交わされ、結果としてヤギを捕獲し、飼育してくれる人を探すこととなります。捕獲されたヤギたちは、飼育場で飼われ、元気に暮らしているそうです。
ヤギたちが殺されたわけではないのですが、住む場所を追われ、ヤギの家族は離れ離れになってしまうのです。
これが、果たして、ヤギたちにとって幸せであったかどうかー。こういうヤギの視点でこのお話は進んでいきます。
主人公は、幼い頃人間に飼われていた長老ヤギのタメトモ(!!歴史好きな方はピンとくるでしょう 笑)。そして、友達のヤギにヨシツネ(!)がいます。
島の事、ヤギの家族の事を考えつつ、ヤギたちだけで暮らしています。タメトモは、毎朝、海が見える岩の上で、こう祈ります。
「きょうも、一日、なかまが無事にすごせますように…。」
でも、無人島になった島も、心無い人間のせいでヤギは危険な目に会うことが増え、人間に飼われていたタメトモも次第に人間を憎むようになっていきます。
そして、ヤギたちに最大の危機が訪れます。家族を守るために、タメトモは行動を起こすのですが…。
人間のとった選択は、ヤギのため、環境のためだったのでしょう。
でも、本当にこれで良かったのか…。家族と引き裂かれたヤギは、どう思っていたのか…。
正直、悩んでしまいました…。
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コメント
闇という 歴史を背負う 人の名を
背負いし山羊の 澄んだ眸や
天下人より、器量は、あったのに天下人となれなかった人が、好きです。鎮西八郎さんも、その一人ですよね?
山羊の眸は、一日、見つめていても、厭きないでしょう!
人間は、一度捨てた山羊を、環境保護という美名の為に、また利用したのですね?なんて、自分勝手な・・・!
投稿: 鵺娘 | 2006年5月30日 (火) 11時58分
>鵺娘さん
分かって頂けたようですね(笑)。
ヤギの名前を読んだとき、「ん??」と反応してしまいました(笑)。
>人間は、一度捨てた山羊を、環境保護という美名の為に、また利用したのですね?
そうなんですよ!はっきり言って、捨てたのも捕まえたのも、「人間の都合」ですからね!!
こういう状況になる前に、捨てる前に、どうして真剣にヤギの事を考えてやら無かったのか…。
>闇という 歴史を背負う 人の名を
背負いし山羊の 澄んだ眸や
この短歌、本の内容を的確に表しています…。
投稿: リーヴル | 2006年5月31日 (水) 09時33分