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2006年4月28日 (金)

久しぶりに… 2

久しぶりに読んだーのではなく、思い出した本があるので…。

実は私、恋愛小説とか恋愛映画、というものは、あまり興味がありません。全く読まない、見ない、とは言いませんが…。

なので、この間まで流行していた、韓国の恋愛ドラマもほとんど見ませんでした。好きな方からは批判を受けるかもしれませんが、眠くなってしまうのです…。

恋愛小説も、あまり読んでいませんね。

「三銃士」とか「モンテ・クリスト伯」で有名なデュマの息子、デュマ・フィスが書いた「椿姫」も恋愛小説の類に入るのかもしれませんが、私の個人的な意見では、単純に分類してはいけないような気がします。

私生児であったデュマ・フィスの父親に対する感情が随所に感じられますし、当時のパリの様子や習慣も丁寧に書かれていて、結構、奥が深いような気がします。

主人公のマルグリット・ゴーチェには、実在のモデルが存在したのですが、このモデルもやはり、娼婦だったそうです。マルグリットとは、少々性格や境遇が異なるようですが…

マルグリットは、パリで最高の美女と言われていたのですが、心の中も同じように美しい人として書かれています。

不幸な境遇から、生きていくために娼婦に転落してしまったマルグリット。この娼婦、という境遇ゆえ、幸せをつかみかけたのに、相手の男性のための思い、自分からまた不幸な生活に戻ってしまいます。

あまりにも悲しく寂しい、マルグリットの運命。どうすることもできないのか…。ここまで自分を犠牲にしてしまうのかー私も悲しく切なくなりました。

あのヴェルディのオペラの原作となる、この本。少々、お説教臭い小説、とも言えるかもしれませんが、それさえも打ち消してしまう、マルグリットの魅力的な描写が心に残ります。

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コメント

母愛す 人の血を引く 君ゆえに
父がなくとも 胸を反らせや

 小デュマは大デュマが、旅先で知り合った女に生ませた子でしたよね? 「椿姫」のモデルは、このお母さんだと聞いた事が、あります。父親が、いないという事で白い目で見られたけれど、「お前のお父さんは、あの大作家だ!お前の中にも、(どうせ●●の子と笑われても)その血が流れているのだから、馬鹿な筈がない!」と勉強をさせたから、作家になれたのだというエピソードには、涙を流しました。晩年、すべてのお金を使いはたしてしまい、息子の世話になっていた大デュマは、言ったそうです。「あの頃は書く事に忙しくて、書いた文章を読み返している暇なんて、なかったけれど、今、読み返すとやっぱり俺の小説は傑作だ!それに引き換え、この程度のモノしか書けないお前はやはり、●●の子供だ!」
 ところで私は小学生の時に「モンテクリフト伯」を読んで、ダンテスの事を「自信満々で周囲の気持ちを考えない嫌味な人だ!」と思いました。(例えば、ダンクラールの方が、古くから勤めていたのに、それを差し置いて、上司になってしまう様な事が出来る人でしょう?)まるで、転校生が、皆が嫌だと感じながらも従っている村の伝統を平然と破ってしまう様なモノではないでしょうか?此処ら辺に、付いてお考えをお聞かせ願えると有り難いです!

投稿: 鵺娘 | 2006年4月30日 (日) 06時41分

>鵺娘さん
デュマの作品は好きですが、デュマ自身はあまり好きではないですね。
特に、私生児である、小デュマに対する扱いは許しがたいものがありますので…。
「モンテ・クリスト伯」に関しては、鵺娘さんのブログにコメントさせて頂きました。
お許しください。

投稿: リーヴル | 2006年5月 1日 (月) 09時47分

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