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2006年2月13日 (月)

いつか子供に読ませたい!50

苦しく、つらい境遇に生まれ、それに負けずに強く生きていくーそんな本はたくさんありますよね。

比較的恵まれた時代に生まれたからこそ、こういった本は読んでおきたいと思っています。

山本有三さんの「路傍の石」も、そんな小説のひとつですが、この本を初めて読んだ時の私は、「自分がいかに恵まれた環境・時代で生きているか」ということを改めて思い知らされました。

子供の頃というのは、自分の置かれている環境を「当たり前」だと思い、感謝することはなかなか無いのではないかと思います。

私もそんな子供のひとりでした。

この本の主人公の吾一は、本当につらく、悲しい状況に置かれていた少年です。

裁判でお金が必要だからと、子供の貯金を平気で持ち出す父親、内職で何とか家計を賄おうとする母親ー。

吾一は勉強が好きで、本が好きで、上級の学校に進みたいと望んでいるのですが、それが叶わず、奉公に出され、更に苦しむようになります。

自分の同級生やその妹にまで頭を下げなければならないー自分が貧しくて、相手がお金持ちというだけで!!吾一の気持ちを考えると、読んでいるほうもつらくなります。

母親の死をきっかけに、吾一はそんな自分の状況を変えようと行動を起こしますが、これも「前途多難」といった感じです。私としては、吾一には幸せになって欲しいのですが…。

こんな悲惨な時代(人々)があった、という事は、やはり知っておくべきでしょう。自分の状況がよく見えてきますし。

「自分に恵まれた環境を与えてくれた両親や周囲に感謝する。」という気持ちはいつまでも持ち続けたいものですし、「耐え難いほどつらい事があっても負けないで頑張りぬく」というのは大切だと思います。

私は、まだまだ修行が足りません。

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コメント

http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD21403/cast.html?flash=1
↑学校でこの映画を見せられた時に、皆が笑ったシーンで私は笑えませんでした。担任も「今時、こんな映画は流行らない」と笑いましたが、私に取って貧乏は彼女の教えた様に過去の事ではなかったからです。原作に母の袋貼りを手伝うけど、逆に貼ってしまう場面があります。私はお手伝いをする「いい子」だったのに母は吾一の母と違って烈火の如く、怒り折檻を加えました。
小津安二郎(が嫌いな理由は自分のブログに書きますが)「生まれてはみたけれど」だけは見て下さい。尊敬していた父親が上司の前で道化を演じさせられるのを見せられる辛さ。上司の子供より自分の方がすべての点で上なのに命令をされる理不尽さ。お母さんに「お父さんが働かないと御飯が食べられない」と言われて「一生御飯は食べない」と宣言する兄弟。これを笑える人はきっと上司の子供側なのでしょう!
私が口でも力でも誰にも負けない自信があったのにそれでも苛められ娘に甘んじなければならなかったのは親同士の力関係があった事は理解して頂けますね?でも私にも中学に入ってから吾一と同じく師に巡り会う事が出来ました。
東京の三鷹に行く機会があったら有三文庫にお寄り下さい。

投稿: 鵺娘 | 2006年2月13日 (月) 10時06分

>鵺娘さん
私もこの映画、一度見たことがあります。
…結構、きついですよね。
それにしても、学校の先生がこの映画についてそんな事を言って
良いんでしょうかね?
原作の吾一の袋貼りのシーンは、結構悲しいですよね。
こんな現実があった(ある)事は、きちんと理解すべきだと思います。
戦争と同じですよね?
三鷹はいつも通り過ぎてばかりでしたので、有三文庫には行って
いません。良い情報、ありがとうございます。
それにしても、鵺娘さん、映画も詳しいですね。

投稿: リーヴル | 2006年2月14日 (火) 09時35分

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