いつか子供に読ませたい!27
本の中の主人公だけでなく、その本の作者自身にもの凄く興味を覚えるーそんなことはありませんか?
私は、エミリ・ブロンテの「嵐が丘」が大好きなのですが、この本の主人公、ヒースクリフはかなり強烈な印象を残しています。
それと同時に、作者のエミリ・ブロンテにもかなり興味があります。
自分の家族・兄弟・姉妹以外とは、ほとんど接触しなかったエミリ。
このエミリの姉のシャーロットの回想録くらいしか、このエミリの性格や生い立ちの記録はないそうです。残っている文学作品もこの「嵐が丘」以外は、詩集が一巻あるだけだとか。
そんな彼女がいかにしてヒースクリフのような、強烈で悪魔的な人物を作り出すことができたのかー。とても興味があります。
作者の謎の部分が多いからこそ、よけいにこの作品は神秘的なのかもしれません。
この作品の登場人物はさほど多くはありません。ただ、同じ名前の親子が出てきたりするので、系図がないとちょっと分かりづらく、複雑かもしれません。
一言で言って、「復讐」の話です。
そして、この復讐の陰鬱さが、物語の初めからもやもやと浮かんでいます。初めは「復讐」なんて場面、どこにも出てこないんですが…。
私がこの本を読むとき頭に浮かんでくるのは、「いつも暗く、寒く、激しい風が吹き荒れる荒野」です。晴れ渡った明るい空なんかとても想像できません。主人公のヒースクリフの心情がそのまま出ているような風景です。
ヒースクリフに負けないくらいに激しい気性のキャサリン、破滅していくキャサリンの兄のヒンドリ…。
どの人物も強烈な印象を残します。
文学作品を敬遠される方はいらっしゃるでしょうが、この本は少し違います。
読み始めると、全く違う場所に自分がいるような錯覚に陥り、読むのを辞められなくなります。
なんとも言えない、不思議な本のひとつです。
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コメント
確か「キャサリンとその夫の間に自分を埋葬してくれ」
とヒースクリフトが言う場面がありませんでしたか?
自分はヒースクリフトとずっと思っていましたが
(前に「愛の嵐」の事が書いてありましたね?)
あの番組を見ると主人公二人より、兄、大河原、猛の妻、お花
兄の彼女の気持ちの方が分かりました。
ローレンス・オリビエの映画が★★★★★
「金色夜叉」は読んだ事ありますか?
「僕の涙で曇らせて見せる」で台詞は終わっておらず延々と愚痴を言っているのです。
男の人に散々貢がせた上に・・・
という事件を耳にする度に「お金を出しても愛して貰えない富山の方が可哀そうなのでは?」と思えて来ました。
投稿: 鵺娘 | 2005年12月25日 (日) 16時34分
肝心な事を書き忘れました。ブロンデ三姉妹のうちのもう一人にすごく興味があります。
投稿: 鵺娘 | 2005年12月25日 (日) 16時36分