久しぶりに…38~続き(本日で一応最後)
昨日は、急用で更新できませんでした。申し訳ありません。
本日も、「わたしの名は「紅」」について。
昨日は、この本の人間関係や感情についてザッと書いてみましたが、本日は歴史的・文化的な部分に注目してみます。
この本が、16世紀末のオスマントルコの都、イスタンブルを舞台としてかかれたものだと言うことは、先日も説明しました。
オスマントルコがどういう国だったかー私はこの国になぜか興味をおぼえ、いろいろな本を読んだ事があります。
オスマントルコは、イスラム文化の国。この本に出てくる細密画は、このイスラム文化の代表となるものです。
私は、この細密画の実物を見たことはありませんが(テレビとか本でしか見た事がありません 泣)、一度は見てみたいものだと思っています。
イスラム世界、というと、「閉鎖的で他を受け入れない」と思っていらっしゃる方が多いかもしれませんが、実際はそうではなかったようです。
オスマントルコは、「緩やかな専制」を取った国で、それがこの国が長く繁栄を続ける事ができた原因のようです。なので、他の文化に対しても、同じようなところがあったのではないかと思います。
ですが、この本の場合、その「寛大さ」が殺人事件の原因の一つとなってしまったようです。
恐らく、実際に、こういった細密画師同士の覇権争い(?)や絵や文化に関する考え方の違いから、人間同士の対立や争いが耐えなかった事でしょう。
他には、どういう事を営んで生計を立てていた人たちがいたのか、そういう裏の(闇の)部分となる人たちの生活についても書かれています。この辺りも興味深いですね。
更に、当時の女性がどんな立場であったか、また女性は、一体どういう風に外部と連絡を人に知られる事無く、取っていたのでしょうか。そんなところにも触れられています。
オスマントルコ時代の本はいろいろ読んでいましたが、こういう歴史ミステリーと言われる小説も、面白かったです。
この本の作者であるオルハン・パムクの著書は、まだ読みたいものがあるので、今後、読んでみたいと思っています。
なので、来年は、もっと時間が出来ると良いのですが…。
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